はじめまして! 野菜料理家の庄司いずみです。
レシピ本やメディア、料理教室などで植物性だけでつくる料理、つまりヴィーガン料理を紹介しています。私自身もヴィーガンで野菜が大好き。
というと……。
ヘルシーではあるけれど、物足りない、パンチがない、あっさりうす味。そんな料理を想像する方も多いかもしれませんね。
もちろん、素材の味を生かした上品なベジタリアン料理もあります。精進料理などはその典型。カフェなどでよく見る、野菜をモリモリ食べるボリュームサラダなどは、確かにヘルシー。その半面で物足りない人もいるはずです。
パンチのあるヴィーガン料理の世界事情
けれど、野菜料理、ヴィーガン料理だから物足りない、おとなしいというのは間違いです。私は食べ歩きも好きですし、海外に行くときはその土地のヴィーガン料理を楽しみます。ヴィーガン料理家が食べ歩くとなると……。ヴィーガンカフェやベジタリアンレストランのほかにも、間違いなくベジタリアンメニューがあり、ヴィーガン対応もOKな店は実は案外あるのです。
まず、インド料理店。
本格的なインド料理店なら間違いなくベジタリアン料理があります。なんといってもインドは3〜4割の人がベジタリアン。ベジタリアンメニューがないわけないのです。豆のカレー、野菜のカレーなど種類もたくさん。マイルドな味のものから激辛のものまで、ベジタリアン料理もバラエティ豊かです。
最近急に事情が変わってきたラーメン店。
欧米のラーメン店ならかなりの確率でヴィーガンがありますし、日本でもヴィーガンを提供する店は増えてきました。海外の方が日本を訪れたとき、食べたい料理といえばなんといってもラーメン。欧米にはベジタリアンの方が多く、今後ヴィーガンを始めるラーメン店はドンドン増えるはず。
手前味噌で恐縮ですが……。
写真は、2019年11月末まで麺屋武蔵新宿総本店で展開中の庄司いずみコラボのVeganスパイシーごまら〜麺。山椒などの辛味がピリリ効いてるスパイシーさが好評です。
イタリアンレストランではペペロンチーノやアラビアータパスタなど、韓国料理店ならピピンパなど。外食でも案外、ヴィーガン料理は楽しめるのです。
実は、野菜と辛味は、相性抜群!
と、こう書きだしてみると……。辛いものが多くないですか!?
そう!実は野菜と辛味はとても相性がいいのです。
肉や魚、乳製品など動物性の食材と違い、脂肪分が少なく、味も淡白な野菜たち。おいしく食べるには、「油をうまく取り入れる」「うまみの出る素材と組み合わせる」など、コツがいくつかあるのですが、「辛味を加える」のもおすすめの調理法です。
辛味と一口にいっても、山椒にこしょう、しょうがにわさび、さまざまあります、もっとも身近な辛味は、やはり唐辛子でしょうか。韓国唐辛子は辛さマイルド、カイエンペッパーはピリ辛。ペースト状になった豆板醤やコチュジャンも、唐辛子の調味料としておなじみですね。
体にもいい辛味たち
唐辛子は辛いだけでなく、体にいいことも色々あるんです。唐辛子の辛味は、カプサイシンという成分ですが、カプサイシンは血行を促進し、冷え性を改善。消化液の分泌を促して消化を助ける効果もあります。さらに、エネルギーの代謝をあげて、体脂肪を分解、エネルギーに変えてくれるのでダイエットにもいいのです。
意外なところでは、痛みを軽くする働きもあり、肩こりや筋肉痛の薬や湿布にもカプサイシン配合のものがあるそうです。
また、唐辛子にはビタミンCやカロテン、ビタミンEなど、美肌に欠かせない栄養素もたっぷり。カロテンやビタミンEは抗酸化力が強く、アンチエイジングの強い味方。外食が多く、野菜不足になりがちな方こそ!週末など時間があるときは、たっぷりの野菜と唐辛子を組み合わせた、ベジ辛料理を楽しみましょう。
ヴィーガン料理を辛く
楽しむ「ベジ×辛レシピ」vol.1
では今回のベジ辛レシピ!
手作りの即席キムチ風を作り、そのアレンジでの豚キムチ風をご紹介!
豚キムチといっても、豚ではなくて、厚揚げで作ります。ただそのまま使うとただの厚揚げ炒めですが、片栗粉をまぶして軽く焼いてから使うことでボリュームアップ。豚キムチに負けないおいしさのヘルシージャンクな厚揚げキムチ炒め、ぜひお試しくださいね。
即席キムチ 1.00KM
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材料:作りやすい分量(キムチとしては2〜3人分)
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材料A
- 切り干し大根 15g(洗ってざく切り)
- 白菜 30g(ざく切り)
- にんにく 1片(みじん切り)
- しょうが 1/2片(みじん切り)
- 塩 小さじ1/4
- コチュジャン 小さじ1
- 酢 大さじ1
- 韓国粉唐辛子 小さじ1
作り方
- 1
材料Aをポリ袋に入れてしっかり揉み込む。
- 2
残りの材料をいれて混ぜ、10分以上味を馴染ませる。
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材料A
厚揚げの豚キムチ風 0.70KM
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材料:2〜3人分(キムチとして食べるなら2〜3人分)
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材料A
- 厚揚げ 200g(5mm厚さに薄切り)
- しょうゆ 小さじ1/2
- 酒 大さじ1
- 片栗粉 適量
- 鷹の爪 2本(小口切り)
- ごま油 適量
- 上記の即席キムチ 全量
- もやし 100g
- 酒 大さじ2
- しょうゆ 大さじ1
- にら 1/2把(50g・ざく切り)
作り方
- 1
材料Aをボウルに入れて全体を混ぜ、5分味を馴染ませる。
- 2
[1]の水気を落とし、片栗粉を薄くまぶしつける。
- 3
油を熱して[2]をカリッと焼く。
- 4
ごま油を熱して鷹の爪を炒め、香りがたったらキムチを炒める。
- 5
もやしを加えて酒としょうゆで味をつけ、3を加えて全体を混ぜる。
- 6
にらを混ぜ込み火を止める。
辛さアップ
- 鷹の爪の量を増やす
- 豆板醤を好みの量加える
- 辛味に合わせ醤油を減らして調整する
-
材料A
プロフィール庄司いずみ
野菜料理家。野菜料理やヴィーガン料理のレシピ本などの著書は70冊以上。累計21万部を突破した『デトックス・ベジシリーズ(主婦の友社)』や、ロングセラー『やさいの常備菜シリーズ(世界文化社)』などヒット作多数。主宰する『庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ 』ではヴィーガン料理のクッキングクラスを開催。オンラインサロン『庄司いずみ ベジタリアン・キュイジーヌ・サロン 』では国内外のベジタリアンニュースの配信や、イベントなどでヴィーガン料理の魅力を発信中。